田ノ浜ツシマヤマネコ共生農業実行委員会


 田ノ浜地区は2000年続く稲作文化伝来の伝説が残る地区です。しかし、近年では後継者が不足するなど様々な課題がでてきています。

 この田ノ浜地区において2012年度より神宮正芳農家、乙成貞人農家を初めとする地元住民有志と日本大学生物資源科学部糸長研究室(担当:關)は、田ノ浜ツシマヤマネコ共生農業実行委員会を立ち上げました。田ノ浜地区やお隣の中山地区、地区外住民、都市民や各種組織の温かいご支援のもと、日本全国や世界的な社会環境の変化に対応できるように、田ノ浜地区・中山地区での米づくりを中心に新たな取り組みを模索してきています。

 これまでに、長崎県特別栽培農産物認証の取得等による田ノ浜ブランド化や、離島では少ない対馬で初の田んぼのオーナー制度の取り組みを進めてきています。2016年度からは次代を担う米田耕喜農家が参画してより取り組みが加速しつつあります。

 また、世界で唯一対馬にのみ生息し、世界的にも貴重なツシマヤマネコ(環境省・絶滅危惧ⅠA類、絶滅の一歩手前)の重要な生息地の一つに水田があります。田ノ浜はそのツシマヤマネコの重要な生息拠点の一つであるとされています。

 このツシマヤマネコの他にも、メダカ、トンボ、カエル等、田ノ浜地区・中山地区での長い歴史のなかで、稲作を中心にして農家が育んできた生きものが多く生息しています。田ノ浜地区・中山地区での持続的な稲作は、ヤマネコをはじめとした生きもの等の自然環境づくりでもあると考えています。

 田ノ浜地区・中山地区の地域環境づくり=自然環境づくりを言う考えのもと、これからまた2000年間稲作が中山地区・田ノ浜地区で行えるように地域環境づくりに取り組んでいます。

沿 革


  • 2011年度に、地元中心の有志7名が集まり立ち上げた任意団体です。田ノ浜地区でのこれまでの取組と同時に、未来を見据えたオルタナティブな取組を開始しました。
  • 2012年度より田ノ浜地区・中山地区を対象にツシマヤマネコ田んぼのオーナー制度を開始しました。
  • 2013年度はエコファーマーを取得しました。
  • 2014年度は米づくりにおいて長崎県特別栽培農産物の認証を取得しました。(認証の取得では、取得費の一部にオーナー制度基金を充当させていただきました。)
  • 2017年度は地元田ノ浜に移住した若者を地元田ノ浜の事務局として迎え、地元事務局を開設しました。
  • 2021年度からイオン水農法を実験的に実施。
  • 精力的に消費者やオーナーとの交流し、将来を見据えた地域農業を行っています。

メンバー紹介


 神宮正芳(会長、中山在住)

 乙成貞人(副会長、田ノ浜在住)

 乙成賀也(副会長、田ノ浜在住) 

 乙成光昭(指南役、田ノ浜在住)

 米田耕喜(事務局長、田ノ浜在住)

 糸長浩司(監事、NPO法人エコロジー・アーキスケープ)

 關正貴(ツシマヤマネコ田んぼのオーナー制度事務局、NPO法人エコロジー・アーキスケープ)

 

活動に対してサポートいただいている方々


糸長浩司 上田尚子 枝村一弥 木本ひさ子 斎藤晴朗 繁永真司 關正貴 森下 崇弘(あいうえお順、敬称略)

心より感謝申し上げます。

アドバイザー


 糸長浩司(日本大学生物資源科学部・元教授)

 關正貴(日本獣医生命科学大学・非常勤講師)